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■カーアクションの映画

アメリカではしばしば実際にヘリからの映像をTVでみますが、
では映画ではどのように写し出されているのでしょう。


ぴあ出版の「アクションムービー究極大鑑」ではライドアクションと表記されているカーアクション。
「レオン」のリュック・ベ ッソン脚本の「TAXI」(98年フランス)はカーアクションの迫力が見所です。
シリーズの第1弾で後に4弾まで製作され、04年に はハリウッドでリメイクされました。
CGが駆使された映画ですが、コスト削減のためか使い回しのシーンがあります。
またBGMにD ick Daleによるトルコの元曲「」も、人気の要因となったのか、ヒット作となりました。
14年3月アメリカで公開された「ニード・フォー・スピード」は同名のゲームシリーズを原作としています。
名スタントマンを父にもち自身も元スタントマンのスコット・ワウ氏が監督を務め、最強のスタントチームも結成され、
公道を超高性能車がフルスピードで疾走する映像を作り出しているのですが、なんとこの映画、CGがアクションの
肝心なところで使われていないのです。
しかもCGなら車をクラッシュさせて大丈夫ですが、車はスーパーカーの実車を使いスピンやクラッシュをしているのです。
ストーリーも主人公が弟の敵打ちのために、深夜の賭けレース、公道 で賞金レースをするなど、バラエティに富んだ内容で見所満載となっています。
上記に挙げた作品はカーアクションをフューチャーしたものですが、カーチェイスはその醍醐味で、他ジャンルの作品でも見ることができます。
その中でもボーンシリーズは必見です。

■新たなアクションの新境地

1980年代のスパイ小説から生まれたジェイソン・ボーン

政府が秘密裏に暗殺チーム計画を実行している所、記憶喪失になったボーンが海上で発見され、自身と計画との関わりから
記憶を探っていくというストーリーなのですが、この映画はアクションも見応えあるものになっていています。
カーチェイスシーンはそこにでてくるアクションの要となっています。
主人公がCIAやその国の警察から追われ、1作目ではミニクーパーで、2作目ではタクシーで、場所はパリやインドやベルリンの街中を切り抜けていくシーンは圧巻です。
さらにその表現にはゴーモビルというものが使われました。
このマシンは操縦性がよく頑丈につくられていて重心をさげることによりスピンしてもひっくりかえらない構造になっていて、
さらに今まで不可能だった時速100kmでの撮影を可能にし、マシンを後部または車両前部に脱着することで、
運転席の主人公の目線を撮ったりあらゆる角度からの撮影が行われました。
ですので合成は必要なく、俳優は実際に乗車してリアクションするので、より自然に迫力満点の映像が撮られました。
このように様々な撮影の工夫の進化によって映像はよりリアリティのあるものに遂げてきました。

リアリティの再現はカーアクションだけではありません。
ボーンシリーズの映画では他に格闘や相手から逃れる為に船に飛び移ったりビルの非常口から飛び降りたりするシーンもあります。
この映画ではそういった撮影をスタントマンを使わずに主演のマッド・デイモンが行っています。
格闘シーンではフィリピン・カリとよばれるフィリピン武術が用いれました。
プロフェッショナルがデイモンに指導して、数か月にわたり訓練をして多数の敵との格闘シーンが撮影されました。
この武術は打撃系ではなく関節技を主体としたより実践的なアクションなのです。
2作目からはジー・クンドー(ブルース・リーが開発した独自の武術)も取り入れられました。
これらを当時既にハリウッドスターのデイモンは自らこなしていきました。

■製作者が語る

(主演マッド・デイモン)
彼は上記に説明した格闘アクションに対し、後に振付を与えられてそれを忠実に再現していたと言い、
またカーチェイスシーンでゴーモビルに乗車した際、彼は演技せずにそのままリアクションをしたと語っています。
(監督陣)    
1作目「ボーン・アイデンティティ」のダグ・リーマン監督は、自らカメラマンを務め新しい撮影の手法を模索していました。
2作目、3作目とポール・グリーングラスがメガホンをとりました。
彼はドキュメンタリー作品の出身でこの映画にもそういうテイストが組み込まれ、彼は最終章の「ボーン・アルティメイタム」で初めて見る人、シリーズのファンの人両方にわかりやすい伏線や描写を手掛けたと語っています。

こういった様々な手法や発想によって、後のアクション映画に影響を与えました。

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