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年々実写映画の予算が削られ、アニメに多くの資本が投入される中、新しいホラーを追求する監督がいます。
それは「戦慄怪奇ファイル コワ過ぎ!」シリーズで有名となった白石晃士監督です。
元々ホラー専門でない白石監督がホラーを選んだのは、あらゆるジャンルの映像を実験的に使用できるからだそうです。
また、和製の「X-File」を作りたいという野望もおありのようです。
事実、お笑いシーンやグロシーン、恋愛シーンにエロシーンと実験作的な要素が満載です。
この今までのホラーの形式を崩したスタイルに、一部のホラーファンからは笑いが飛び出すことでも有名です。
つまり、ホラーだけれども、狙って笑わせているだろうという演出がちりばめられているのです。
しかし、「コワすぎ」と銘打っているだけに恐怖シーンや驚きのシーンには力が入れられ、一人で深夜に見るのは非常に辛いものとなるでしょう。
それでも多くのホラーファン、白石ファンを獲得しているのは「工藤」という破天荒キャラの存在です。
X-FileではモルダーのUFOへの過剰な熱意が面白みでしたが、この工藤は暴力や差別用語、意味不明な行動を土壇場でもとるという、「スパイス」的なキャラです。
作品内部で確認して欲しいのですが、とある呪いのアイテムをなぜかお祓い用に使ってしまうような人間です。
DVDで4巻分、映画版のDVDもありますので、和製ホラーのフロンティアを確認したい方は是非手に取るべきでしょう。
「ホラーさ」を見せるだけがホラー作品ではないのだ、という原点的な事を再認識できるからです。