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なぜ温厚なはずの日本人が闘犬に夢中になったのでしょうか。
これには娯楽としての要素よりも、もっと深い意味が関係しているのです。
■日本人の基本性質とは?
古来から日本人は、基本的に争いを好まない人種であり、和を重んじる精神を培ってきました。
その背景には、島国であるため周辺諸国からの脅威にさらされるという経験が少なかった事や、美しい四季が巡ってくる恵まれた国である故、細やかさや情緒豊かさという類まれな性質を身に付ける事が出来たという点があります。
また、日本特有の食生活も私たちの国民性を形作る上で、一助を担っていると言えるでしょう。
■闘犬の起源
世界においての闘犬の歴史を調べると、その起源は古代ローマで始まったのではないか、という説があります。
歴史好きな方であるなら、古代ローマ人たちが素晴らしい文明を有していた反面、血に飢えた狼のごとく野蛮な娯楽を楽しんでいた事をご存知でしょう。
そこからヨーロッパを中心に、世界へと広まっていきました。
■世界の闘犬とは違う日本の闘犬?
日本では12・13世紀には既に闘犬が行われていた様ですが、国内のみならず今や世界に誇る闘犬のための闘犬として誕生した土佐闘犬が活躍したのが、まだ侍社会の名残りが色濃い明治時代の事でした。
闘犬は当時の土佐藩において、藩内の士気を高めるために用いた、いわば軍事訓練の一貫だったのです。
それ故単に娯楽としてではなく、土佐闘犬の気高い勇姿、戦いの場においての大胆さや粘り強さ、何者をも恐れない態度などを学ぶ目的がありました。
ですから、世界においての闘犬と日本人にとっての闘犬とでは、意義深さの点で全く別のものと言えるでしょう。
日本の闘犬は、日本人の動物に対するリスペクトが反映されているのです。