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秩父には、西国三十三ヶ所、坂東三十三ヶ所と並び「日本百番観音」に数えられています。
「秩父札所三十四ヶ所観音霊場」というのが存在します。
室町時代末期にはおそらく存在していたと言われ、スタートの四萬部寺から最後の34番目、
水潜寺まで一巡約100キロの距離を昔の巡礼者は歩いていました。
数百年前も今も多くの人が訪れる巡礼地、そして、そこには、巡礼者たちを癒し続けている温泉があります。
【まず初めにこの宿に】
江戸時代、多くの巡礼者がまず巡礼初日に泊まり、疲れを癒したといわれる「新木鉱泉」。
180年の歴史を持つその温泉旅館には、「秩父七湯」にも選ばれている含硫黄アルカリ泉の
「御代(みよ)の湯」、別名「卵水」とも呼ばれる名湯があります。
浸かると卵のようにつるつると滑らかな肌になることから、そう呼ばれるようになったと言われています。
【現存する秩父七湯】
「秩父七湯」は前述の他に新木鉱泉の他に、柴原温泉、白久温泉、千鹿谷鉱泉、
そして群馬県の鳩の湯温泉の四つしか現存していません。
どの温泉地も鄙びた歴史ある温泉地で、「柴原温泉」は江戸時代の初期から湯治にくる温泉客が多く、
約400年の歴史があります。温泉宿の数は少ないですが、木造の風情ある旅館ばかりで、非常に趣きがあります。
白久温泉には「将門の隠し湯」と言われる温泉があります。
奥秩父の濃い緑の渓谷を俯瞰しながら入浴できる露天風呂は、また格別です。
千鹿谷鉱泉は「龍勢祭」という江戸時代から、椋神社の例大祭で
「ロケット」を打ち上げることで有名な吉田町の山の中にあります。
他の秩父七湯と同じく、自然豊かな場所にあり、都心から日帰りの距離にも関わらず、
まるで山里離れた温泉郷に来たような気分を味わえます。