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私は今までに4回引っ越しを経験しました。
いずれも親の都合での引っ越しで、家ももちろん親が決めてきたのですが、
これは前に住んでいた家での出来事です。


私が小学校4年生の頃に引っ越した家は平屋で、トイレはくみ取り式のいわゆるボットントイレ。
第一印象は最悪です。
部屋はリビングの他に和室2部屋というシンプルな作りです。
私はその家で、今でも忘れられない体験をしたのです。

引っ越ししてきた初日、周りを段ボールに囲まれながら寝ていると、足元に誰か通った気配がしました。
横には両親とまだ幼い弟2人が寝ていたので、きっと誰かがトイレに起きたんだと思って
寝がえりをうったついでに横を見ると、布団から出た頭は4つ。

じゃあ、足元を通ったのは誰?
そう考えると怖くなり、布団を頭までかぶり強く目をつぶりました。
そうなると寝むれなくなるもので、眠る事が出来ません。

すると、また足元に誰かが通るのです。
そっと布団から隙間を開けて横を確認してもやはり家族は全員寝ています。

私の足元は廊下で、荷物が片付いていない事もありリビングに繋がる扉はあけっぱなしで、
部屋全体が見えていたのです。
私は恐る恐る、布団に隙間を作って足元を見ると、廊下を歩く人が見えるのです。
一人ではありません、私が見えただけでも3人。
青白い足が見えるのです。

私は恐怖のあまり、隣に寝ていた母に抱きつきました。
すると、母もその異変に気付いた様で、私を抱きしめてくれました。
そのおかげで私はもう一度眠りにつく事が出来ました。

しかし、その現象は次の日も、また次の日も続いていました。
父親に、この家を引っ越したいと何度も頼みましたが、
4年しか住まないんだから我慢しろと言われ聞きいれてもらえませんでした。

共働きの為、私は保育所に通う弟を迎えに行き、一緒に家に帰ります。
「ねぇ、お姉ちゃん。なんで家にあんなにいっぱい人が来るんだろうね?」

帰り道にふと弟が口にした言葉に驚きました。
「なんで知ってるの?」
「いっつもいるよ?いっぱい、いっぱい」

3歳の一番下の弟の話に私は寒気がしました。
その日は家に入る事が出来ず、公園で母親の帰りを待っていました。

そして、帰ってきた母にその事を話すと、驚いた素振りを見せたものの、納得したような顔をしていました。
その日の内にベランダと玄関に白い小皿に乗った盛り塩が置かれ、鏡などがリビングから移動されました。

その夜には不思議と誰も通る気配もなく、久しぶりにゆっくり眠る事が出来ました。
その家を引っ越してから母が教えてくれたのですが、あの家はベランダと玄関が一直線上にあり
霊の通り道になっていたようです。
母は昔から霊感が強く、あの家に入った時から数え切れないくらいの霊が家の中を行き来していたそうです。
最初は古い家だからだと、思い我慢して様ですが、私にも弟にも見えていると聞き、
盛り塩やお札を貼ってくれたらしいです。
それからは何もなく過ごす事が出来たのです。

その記憶も薄れた頃、また引っ越しが決まり、あの家で過ごす最後の日。
引っ越してきた初日のように段ボールに囲まれ寝ていると、足元に違和感が…。
布団越しに自分の足元をみると、落ち武者が立っていたのです。
何も知らない父親が盛り塩を片づけてしまったようです。
ガシャン、ガシャン…という音が遠くなり、ほっとして天井を見ると、無数の白い顔が…!

今はもう取り壊されて無くなっているようですが、あの体験は未だに忘れられません。

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