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これは、私が実際に体験した話です。
私の地元では、高校3年生の秋から車の運転免許を取得する自動車学校に通学出来るようになります。
放課後に、自動車学校のバスが迎えに来てくれる事もあり、私たちの学年では50人ほどが通学していました。
小さな町で、たった一つの自動車学校。
鉄筋コンクリート造りでしたが、築30年は超えているようでした。
私たちの通っている自動車学校ではすべての過程を終えて
車で3時間かかる隣町の公安で試験を受けて免許を貰えるという仕組みでした。
すべての過程を終えた私たちは朝日が昇る前、午前4時に
自動車学校のバスに乗りこみ公安のある隣町に向かいました。
真冬の午前4時という事もあり、外は真っ暗です。
その道中に自動車学校があるのですが、通りすぎる瞬間になんとなく、自動車学校を眺めていました。
時間にして、ほんの数秒程度。
真っ暗な校舎2階の廊下を歩く、首の無い人が見えたのです。
今でも謎ですが、あの時カメラのズームのように廊下のその人が大きく見えたんです。
だから、首が無い事に気付いたのです。
外は氷点下10度の寒さなので、バスは暖房で暖かいはずなのに、私だけ寒気が止まりませんでした。
すごいものを見てしまった。
直感的に感じましたが、その当時の私に対処法などはなく、
ただひたすら背後感じる何とも言えない視線を忘れるように眠りにつきました。
「いつまで寝てんの!?」
目が覚めた時にはもう隣町についていて、嫌な感覚もなくなっていました。
その日は無事に試験にも合格し、免許を取得する事ができ自動車学校に行く必要が無くなりました。
あとから聞いた話ですが、大学受験に失敗し就職するために自動車学校に通っていた男性が
数年前、自宅近くの林で首つり自殺をしていたそうです。
原因は分かりませんが、その人は首が取れていたそうです。
直感で私が見た人はその人だと感じたのですが…。
それから10年たった今も、自動車学校の前を通ると見えるのです。
首を探す、あの真っ黒い人が…。