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リウマチ熱とは溶連菌感染症の二次症です。
原因は通称“溶連菌”、正式名称は“A群β溶血性連鎖球菌”という細菌で、
これは時々健康な人の喉や皮膚に見られる事もあります。
元気な時は何も悪さをしませんが、体力が落ちている時などに感染する可能性があります。
通常、溶連菌に感染した場合、2~5日後に喉の痛み、突然の発熱(39℃前後)、
苺舌と呼ばれる舌の真っ赤なぶつぶつが発症します。
これは溶連菌が出す毒によるもので、抗生物質がよく効くので、
菌が消失するまで抗生物質での治療を行います。
この最初の感染を溶連菌感染症の一次症と呼びます。
一次症で治療が不十分で菌が残っていた場合、症状が治まってから2~3週間後に
再び突然の発熱(39℃前後)が起こる事があります。
これを溶連菌感染症の二次症といい、約70パーセントに強い関節痛、約50パーセントに心炎が発症します。
この溶連菌感染症の二次症の事をリウマチ熱と言います。
このリウマチ熱は通常5~15才で後発し、5才での、発症する事が最も多いとされています。
成人はほとんどかかることはないとされていますが、妊娠中または抵抗力が落ちている時は
かかる可能性もありますので、注意が必要です。
リウマチ熱は全身性の病気で、結合織の炎症が関節、心臓、神経へと広がります。
この炎症は、溶連菌に対する免疫機能が間違って自分を攻撃する為に起こる、
自己免疫疾患と考えられています。
リウマチ熱の関節の痛みは、痛みが治まった後、他の場所が傷む事があり、
痛みが移動している様な印象を受けるのが特徴的です。
また、心臓では弁膜、心内外膜、心筋が炎症の好発部位です。
心臓の弁膜に炎症が起こると弁膜障害が起こる事が多く、これが問題となります。
一度リウマチ熱にかかると、再発しやすく、約30%は再感染によるリウマチ熱の再発、
心臓の弁膜障害がある場合は、弁膜障害の症状が悪化します。
リウマチ熱にかかった場合、再感染しない様に予防内服をすると、
再発を80~90パーセント防ぐ事ができると言われていますが、
内服をしない場合、20~50パーセントは再発すると言われています。
このようにリウマチ熱は最初に溶連菌感染症にかかった時(一次症)の治療がとても大切になります。
溶連菌は細菌なので抗生物質が有効です。
また、リウマチ熱にかかってしまった場合は、抗生物質で原因となる溶連菌の治療を行うとともに、
発熱や関節痛にアスピリン等の下t熱鎮痛薬、心臓の炎症にはステロイド剤が有効です。
現在、日本は溶連菌感染症の一次症の治療が確立しているため、
二次症であるリウマチ熱の発症はあまりありませんが、可能性がないとは言えません。
溶連菌感染症にかかった事がある場合は、注意を怠らない事が大切です。