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健康診断や人間ドックには必ず尿検査が含まれます。
一般的に検診目的での尿検査では、PH、比重、尿タンパク、尿糖、尿潜血の5項目が行われます。
これらを順に説明して行きたいと思います。


まず、PHですが、これは尿が酸性に偏っているか、アルカリ性に偏っているかを調べます。
尿は通常、中性から弱酸性、だいたいPH4.5?8くらいの間にあり、通常この範囲を超えない場合を正常とします。
この価は食習慣や運動に変化します。
例えば、過度の肉食では酸性に偏るし、菜食主義の方の尿は弱アルカリ性である事が多いです。
また、過度の運動によってPHが弱アルカリ性になる事もあります。
この正常範囲を超えた場合が異常となります。
PHが異常である場合は、糖尿病、通風、腎炎、発熱、脱水、下痢、嘔吐、尿路感染症、過呼吸などが疑われます。

2番目に、比重ですが、これは尿の比重を調べます。
通常では、1.010-1.030と、水より大きい(重い)位の値となります。
水より比重が大きいのは、尿の大半の成分が水であり、水分に老廃物がとけ込んだ物が尿だからです。
つまり、尿が濃くなると当然比重は大きくなりますし、薄くなると比重が小さくなります。
この値を超えた物が異常値となるのですが、疑われる病気は腎不全、腎炎、尿崩症、ネフローゼ、糖尿病、心不全、脱水上場などです。
尿の濃さは運動や飲水量により大きく変化しますので、尿検査だけではこれらの病気を診断する事ができないので、
血液検査などで詳しく調べる必要があります。

3番目に尿タンパクですが、これは尿にタンパク質が混じっていないかを調べるものです。
通常、健康な人でも一日に100mg程度のタンパクが尿に排出されていると言われていますが、
これ以上が排出されると異常となります。また、正常でも過度の運動でタンパクが排出されることもあります。
尿にタンパクが排出され、腎炎、腎硬化症、尿路感染症、尿路結石、ネフローゼ、糖尿病性腎症、腎腫瘍、膀胱炎、妊娠中毒症が疑われます。
また、病気ではない場合でも尿にタンパクがでることがあります。
これは生理的タンパク尿と言われ、激しい運動や発熱時に見られる事があります。

4番目の尿潜血ですが、これは尿に血液の成分である赤血球が混じっているかを調べる検査です。
通常では尿に赤血球は混じっていないので、潜血反応があれば異常となります。尿に赤血球が混じる病気は、
腎炎(急性、慢性)、尿路石、尿路腫瘍、腎外傷、膀胱炎などがあります。
尿に蛋白が出ると腎臓の病気が想像されがちですが、前立腺炎、前立腺腫瘍、白血病、溶血性貧血、
心筋梗塞、筋損傷等でも尿潜血が陽性になる事があります。
また、病気ではない場合でも尿潜血反応が出る事があり、これは生理的血尿と呼ばれます。

最後に尿糖ですが、これは尿に糖分が混じっていないかの検査です。
正常でもごく微量の糖が尿通に排出されますが、これは40?80mg程度です。
この量だと尿の試験しには反応しない為、陽性とはなりません。
通常の試験紙では50mg以上で反応するため、50mg以上で異常値となります。
尿中に糖が排出される病気は、糖尿病があります。

いずれにしても、一度の検査で診断を付ける事はできないので、
検尿での異常をきっかけとして次の検査を行い、診断を付ける必要があります。

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