箱根といえば全国に名だたる湯どころ。
様々な温泉地で色々な温泉宿や日帰り温泉施設が楽しめます。
多分お気に入の温泉というものが箱根ファンにはあるのでしょう。

かくゆう私も「箱根ならば絶対ココ！」という日帰り温泉施設があります。
それが宮ノ下にある、楽遊壽林（らくゆうじゅりん）自然館です。

箱根登山鉄道を宮ノ下駅で下車し、１号線を強羅方向に歩くこと約10分。
右手に楽遊壽林自然館の看板が見えてきます。
しかし建物は見えず…それもそのはず、施設は早川の渓谷に向かって斜面を降りていった先にあるのです。
うっそうとした木々の中、本当にここで合っているのかしら…と不安になったころ
、暖簾がかかった小さな門と出会います。
ここをくぐれば施設はすぐそこ。
純和風の歴史を感じさせる建物が見えてきます。

楽遊壽林自然館は、実は入館料2500円（時間制限無し、タオル、浴衣付き）で1日100組までという、
中々の条件を持っている施設。しかしこれには訳があります。
大人がゆったりと温泉と自然を楽しむ、その空間を大事にする事が施設の第一のコンセプトだからです。
そのため金額で多少の振り落としをしているのでしょう。

しかし私はこれに大賛成。理由は温泉に入ればわかります。
半野天の内湯や階段状に備わった３槽の露天風呂は木々に囲まれていて、
本当にノンビリとホッとできる風情なのです。
聞こえてくるのはお湯の音以外は、鳥の鳴き声、木々のさわめき、早川のせせらぎのみ…
自然に囲まれた施設が大い箱根でも、ここは格別です。
５月の新緑と11月の紅葉の時期には、それはそれは美しい景色を眺める事ができます。

お湯も源泉かけ流し、しかし上手く調節してあって浴槽に辿り着く頃には丁度良い温度になっています。
露天風呂などはいつまで入っていても大丈夫なほどです。
泉質はナトリウム塩化物泉、無色透明のサラリとした気持ちの良いお湯です。
大浴場の他には貸切露天風呂が２ヶ所あり、両方ともとても素敵なので人気があります。

お風呂から出た後は、無料休憩所でゆったり涼んでお昼寝するも良し、本など読んで過ごすも良し。
お腹が空いたら食事処でお蕎麦や和食御膳、おにぎりなどが食べられます。
ビールも勿論あります。早春には運が良いと山菜の天麩羅が出ます。
とても美味しく揚げてあって私の大好物です。

最近の日帰り温泉施設というと、凝った浴室、充実した食事処、
リラクゼーションサロンといった充実ぶりが当たり前になってきましたが、
楽遊寿林にそうしたサービスはありません。
しかしここでしか味わえない特別な時間を過ごせる事は、自信を持って断言します。
箱根観光で温泉を楽しみたいと思っていましたら、是非候補に入れてみてください。