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佐世保と平戸を結ぶ交通の要所であり、
江戸時代には平戸藩の本陣が置かれたことから宿場町として栄えた江迎町。
江戸の面影を残す山下本陣を散策してみませんか?
春の繭玉まつりと夏の千灯籠まつりも見逃せませんよ。
■平戸街道を歩いて江戸時代を偲ぶ
参勤交代や長崎勤番の際に使用された平戸街道。整備されたり消滅した部分もありますが、今も平戸から東彼杵までの区間にその姿を残しています。
佐世保・江迎町はその平戸城を出立して最初の一夜、江戸からの帰り道では旅程最後の一夜を過ごしたお殿様のお宿”本陣”がほぼ完全な状態で現存していて、この家屋の所有者である山下家にちなみ「山下本陣」とも呼ばれています。
この本陣では前日までに予約すれば1830年(天保元年)に平戸藩主によって整備された門や居室、庭園に水琴窟などを見学することが出来ます。
また本陣隣りで山下家が営んでいる潜龍酒造の酒蔵も現役で、道を挟んで向かいの本社では江迎土産にお薦めの「本陣」というお酒を販売してます。
■「繭玉まつり」と「千灯籠まつり」
柳などの枝に紅白の小さな玉がたくさん取り付けられた祝飾りの”繭玉”は皆さんよく目にしていることと思います。
本来は1月15日の小正月に飾る縁起物ですが、江迎では3月3日のひな祭りから一斉に街角を飾り、「繭玉まつり」が行われます。
また江迎の繭玉は発泡スチロールの土台に切り込みを入れ、そこに布を差し込んでいく”木目込み鞠”という手法で作られており、貼り付ける布に使われる縮緬地は色も柄もとりどりでそれは華やか。
キャラクターや動物などをモチーフにした子供に人気の繭玉や、木目込みで作られた人形や小物なども飾られ、江迎の町に春を呼ぶお祭りとして近年人気が高まっています。
町おこしの一環として始められたお祭りなので歴史は浅いですが、美しくて可愛い繭玉が街中で揺れる風情は何とも言えずほのぼのとしますよ。
そして3300個もの灯籠を積み上げたタワーがお目見えする夏の「千灯籠まつり」も見もの。
こちらは戦国時代から続いている水かけ地蔵まつりの際に、家々の軒先に灯籠が飾られたことからおまつりへと発展しました。
今も8月23・24日の千灯籠まつりの間は江迎全体で灯籠が灯され、幻想的なムードが漂います。