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松本市内には名旅館が多数あれど、その中でもトップクラスのお宿が
美ヶ原温泉にある「すぎもと」さんです。インターネットでその存在を知ってからずっと憧れの
旅館で、この夏に上高地旅行を計画した際に駄目モトで予約電話をかけてみました。
するとツインのベッドタイプのお部屋だけ空いているとのこと。第一希望の囲炉裏のお部屋ではありませんでしたが、是非にと泊まらせていただきました。
美ヶ原温泉は松本市の郊外、美ヶ原高原への入り口にある温泉地です。メイン通りを中心に15軒ほどのお宿があります。住宅街もすぐそばにあり、とても静かで落ち着いたところです。
古く奈良時代から温泉が知られ、江戸時代には松本藩主の保養地にもなりました。
すぎもとさんもメイン通りに面していて、一見そんなに大きくないお宿のように見えます。
しかし館内は非常に上手く造られており、とても街中とは感じさせません。入口をくぐるとロビーは純和風、その中に和洋の松本民芸家具がしつらえてあり、大正モダンのような、現代的なような、とても素敵な空間です。
宿泊するツインルームは、これまた民芸家具に囲まれた素敵なお部屋。名前の「アルプス」の通り、ちょっとヨーロッパの山荘・ホテルにいるような雰囲気があります。また窓から北アルプスを眺められる事も名前の由来だとか。
このお部屋のもう1つの魅力は、猫足付きのバスタブです。大浴場があるから入らなくていいやと思っていましたが、ひと目見てとても気に入ってバスバブルを入れて楽しみました。
この日は遅めに到着したため、大浴場よりも先に夕食となりました。
食事会場のある泉雲閣は本館の道路を挟んで向かいにあります。そこですぎもとさん、何と地下通路を造ってしまいました…!石畳で壁には割り竹を貼るといった凝った造りです。
食事会場は3種類ありますが、遅かった為か個室に通していただきました。
ここで頂く数々の山の幸、良質の素材がふんだんに使われた素朴だけど洗練されたお料理はどれも美味しかったです。
ご主人手打ちのお蕎麦も(売り切れ必至の逸品です)付けてもらう事ができて、こちらもしっかりとした蕎麦の実の味がとても私好みでした。
夕食の後はいよいよ大浴場です。
大浴場に入る手前には、休憩所を兼ねた「七福の庭」という坪庭があります。これがまた小さいながら素敵な石庭で、何と庭の中の飛び石が通路となり、休憩するリラクジングチェアの下まで玉砂利が敷き詰められたこれまた凝った造り。夜は仄かなライトに照らされ幻想的、昼間は清々しさを感じさせます。
大浴場は決して広くはありませんが、青石と木材を多用した和モダンな雰囲気。アルカリ性の温泉は40度前後とぬるめで、浴室の造りを楽しみながらいつまでも浸かっていられます。
私は入りませんでしたが、大浴場の他に無料・有料の貸切風呂があります。
お風呂の後は館内の素敵な家具を見学し、サロンにある本を借りてからお部屋に戻りました。
猫足バスを楽しんでから、フカフカのベッドであっという間にウトウト。オーディオを小さめにかけて眠りましたが、とても柔らかく良い音を聞きながらグッスリ眠れました。
翌朝は再度温泉に浸かり、湯豆腐などこれまたひと工夫ある優しい朝食を頂いてからお宿を後にしました。
とても過ごしやすく魅力的なお宿で、松本に来た際は是非また泊まりたいと思いました。
今度はもっと早目に予約を入れて、憧れの囲炉裏のお部屋を抑えたいです。