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NHK大河ドラマの「軍師官兵衛」が人気です。
この作中で天下人秀吉を、いやらしくも人間味たっぷりに竹中直人が演じています。
その秀吉が晩年溺愛するのが、茶々(後の淀殿)です。
茶々は、元々近江国(滋賀県)の戦国大名「浅井長政」の娘ですが、
長政が織田信長に殺されたため、母「お市の方」が「柴田勝家」と再婚し、
越前国(福井県)の北の庄城に移り住みました。
ところが、その柴田勝家も秀吉に母お市の方」ともども殺されました。
しかし、お市の方に生き写しの茶々は秀吉の側室「淀殿」となり、秀吉亡き後も豊臣勢を率いることになるのです。
今も福井市には「北の庄」の地名が残り、「勝家」と「お市の方」を祭った柴田神社がその地にあります。
毎年春には、福井市内で「柴田勝家」と「お市の方」の「越前時代行列」が行われ、往年の隆盛を偲びます。
では、この福井の地で天下を取ろうとして図らずも散った戦国大名は、他にもいるのでしょうか。
越前の国一乗谷(福井市)の朝倉義景は、一時はあの織田信長を追い詰め、
敦賀・若狭(小浜市)より近江坂本(滋賀県)まで攻め入りました。
しかし、味方の武田信玄が亡くなった後は、あの秀吉に討たれることになる柴田勝家により、滅ぼされました。
朝倉義景は一乗谷から逃れて六坊賢松寺(大野市)で自害したとされます。
最近「天空の城」としてもNHKで紹介されるようになってきた大野城のふもとに、朝倉義景墓所があります。
今は公園になり、春にはサクラが咲き、池には天然記念物の「イトヨ」がのどかに泳いでいます。
また、一乗谷朝倉氏遺跡は近年、発掘調査され、その屋敷跡を観ることができます。
夏には「越前朝倉万灯夜」として、15,000個を超えるキャンドルで幻想的にライトアップされ、
近くの一乗谷川では蛍を見る事もできます。
現在の福井市には、「新田塚」という地名があります。
その新田塚の一番南東の隅の小さな公園内に、「新田義貞公の戦没伝説地の碑」と新田神社があります。
新田義貞は、かつて鎌倉幕府を滅ぼし一度は天下を取る勢いでしたが、当時の朝廷側に裏切られ、
足利尊氏との戦いに敗退し続けました。
元々は、上野国(群馬県)の豪族だったのが、福井県敦賀市の「金ヶ崎城」からも追われ、
越前国藤島の灯明寺畷(福井県福井市新田塚町)で討ち取られました。
福井市の足羽山上にある藤島神社に義貞は祭られています。
この北陸の小国「越前」では、天下を取りにいった者たちが最期を迎えるというのも何かの縁かもしれません。