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松江市のある出雲国といえば、
旧暦10月の神在月に日本全国の神様が集うところで有名です。
なぜ集まるのか、その伝説の1つに「イザナミ神のお墓参り」があるのをご存知でしょうか。
そのイザナミ神の陵墓とされているのが、佐太神社の背後にある比婆山。こちらをお参りする神様がいらっしゃる事から「神在りの社」として古くから信仰される神社なのです。
神社の位としては、出雲大社に次ぐ二の宮に定められています。
昨年秋に出雲~松江をドライブした時、出雲大社で噂の縁結びお守りを頂こう!と訪れましたところ…何と製造が間に合わず、住所を届けての通販が行われていました。これではあまりに風情が無い!と、他にどこか良い神社は無いかしらと調べて佐太神社の存在を知りました。
位の高い古社でも、現代ではすっかり寂れてしまったところがたくさんあります。佐太神社もそうかしら…と松江市内を北西に進み訪れてみましたら、良い意味で期待を裏切る厳かで堂々とした佇まいでした。
佐太神社は佐太大神という神様を祀った神社です。佐太大神は神魂命の娘である枳佐加比売命の子とされています。他にはイザナギ・イザナミの両神、素戔嗚尊、天照大神、速玉男命などの神様が祀られています。出雲大社と同じく、縁結びにご利益がある神社です。
広々と玉砂利を敷いた境内の奥には、大社造りの正殿・北殿・南殿が横に並び、前には拝殿と塀付きの回廊が巡っています。この時は残念ながら本殿が改修中で、すぐ横に仮宮が設けられていました。
その仮宮の脇から、背後の比婆山中にあるイザナミ神の社「母儀人基社(はぎのひともとしゃ、と読みます)」に参拝できますよと神社の方に聞き、それは是非!と階段を登って山中に入りました。
深く茂る木々の中を歩くこと5分、お社といっても囲いの中に岩が祀ってあります。これは磐座(いわくら)といい、神様の寄り代となる石をお祀りする、古い形の信仰形態です。一説によると下の社殿よりも歴史が古く、安産や子宝にご利益があるそうです。
静かで深い森の中でお参りし、昔の信仰に思いを寄せる貴重な体験ができました。
出雲二の宮である佐太大社の周辺には、たくさんの末社があります。その中でもめずらしいのが田中神社です。小さなお社が背中合わせて建てられており、それぞれ木花開耶姫命・磐長姫命をお祀りしています。本殿に祀られている瓊瓊杵尊との関係からこの地にお祀りされたそうで、何と縁切りにご利益があるとの事。
縁結びと縁切りの神社がこんな近くにあるなんて、とても興味深く感じました。
本殿社務所に戻り、無事に縁結びのお守りをゲット。ついでに扇形をした可愛いおみくじも引きました。
佐太神社は上記のほか、出雲流神楽の源流となる御座替神事や神在祭、御田植際も見どころだそうです。
松江観光に合わせてお参りされてみてはいかがでしょうか。