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松江城といえば松江のシンボル。松江市街地のどこからでも目にする事ができる天守閣は
堂々かつ優美で、宍道湖に続く水路・お堀と城下町の雰囲気を残す町並みと合わせて
他では味わえない風情を楽しめます。
夜のライトアップされた姿もとても素敵です。
城跡は公園として整備され、緑豊かな園内を散策しつつ復元された門や中櫓、江戸時代から残る天守閣の内部見学ができます。
松江城ができる以前の出雲国の中心は、鎌倉時代からは今の安来市にあった月山富田城でした。松江城のあった場所には末次城という砦があるだけでした。
そこに関ヶ原の戦いの後に治める事となった堀尾氏が建てたのが松江城です。月山富田城は山城で統治に不向きということで、平山城として築城され、城下町が形成されました。
堀尾氏は三代で改易となりますが、後に徳川一族である松平家が治めてからは大いに栄え、名実共に出雲国の中心地となりました。松江のお茶の文化もこの頃に形成されたものです。
明治維新後は当時のご多分に漏れず取り壊し・払い下げとなってしまいますが、天守閣だけはと有志により買い戻されました。その甲斐あり江戸時代初期の貴重な天守閣を現在も見る事ができます。国の重要文化財にも指定されています。
松江城を訪れたなら、おすすめしたい過ごし方が3つあります。
まずは何といっても天守閣の見学。下層階の壁は黒塗り板造りで、これは松本城など古いタイプの天守閣に見られる特徴です。上層階の白壁とのコントラストがとても素敵。天守閣内部も昔の造りが残っていて、外敵に向けて石を投げる窓「石落とし」や、防火のために桐で作られた階段まわり、なんと地下階には井戸もあります。他に改修時に保存された木造の鯱や甲冑などの武具も展示されていて、じっくり見て周ると時間を忘れそう。最上階では宍道湖まで見渡せる見事な眺望を楽しめます。
次は城跡公園に残る石垣の見学です。松江城跡では各所で石垣を見学できますが、じきに積み方が野趣溢れている事に気づくと思います。これは「野面積み」という古い技法で、自然石を加工せずに積み上げ、崩れにくく排水にも優れるもの。石の選定が難しいのが欠点ですが、松江城では穴太衆という石垣築成の専門集団が手がけています。平たく大きい自然石の隙間に小石を詰めている野面積みの石垣は、安土城、小諸城、浜松城など限られたお城でした見ることができません。じっくり観察する事をおすすめします。
最後にお堀を船で巡れる「堀川めぐり」です。松江城は全国でもめずらしく、城の周囲のお掘りも埋められずにそのまま残っています。そのお堀と城下町の水路をゆっくり50分かけて見学できるのです。船から普段見られない角度の松江城を楽しみ、味のある木造橋をくぐり、堀沿いの豊かな自然に癒され、武家屋敷街まで見れてしまうという盛りだくさんな内容。時間はちょっとかかりますが、是非乗船をおすすめします。
松江市街地観光といえば武家屋敷街などの町並みを選びがちですが、是非松江城も外見だけでなく、中に入って楽しんでみてください。