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別府といえば源泉数・湧出量共に日本一の、泉都とも呼ばれる温泉郷。
大きく8つの地域を中心に展開しており、
この地域は「別府八湯」と呼ばれています。
別府、鉄輪、観海寺、堀田、柴石、明礬、浜脇、亀川と八つの温泉郷は、それぞれ異なった特色を持ち、
どこも魅力ある温泉ばかりです。
火山である鶴見岳・伽藍岳の東麓に広がる温泉郷の歴史は古く、伝承ですと神話の時代から、
文献に残るものだと鎌倉時代から療養所として利用されてきました。
現在でも質・量豊富な温泉だけでなく、
鶴見岳と別府湾の風光明媚な景色を楽しみながらゆったりと過ごせる時間を求めて、
多くの観光客・湯治客が訪れています。
そんな別府八湯の中で私がおすすめするのは、ちょっとマイナーな堀田と柴石、
そして温泉郷のシンボルとも言える別府(竹瓦)温泉です。
3ヶ所ともお湯が良いのは勿論、市営温泉の充実ぶりが素晴らしいのです。
どんなところがおすすめなのか?そこをジックリとご紹介しようと思います。
【市営の温泉でも質はピカイチ!別府の西の玄関口、堀田温泉】
堀田温泉は温泉郷の南西端、湯布院へ抜ける県道11号線近くにあります。
ちょっと奥まった場所にあるため、八湯の中では少々地味な存在ですが湯量は豊富、
市内の共同浴場へも供給するほどです。
泉質は単純硫黄泉。別府で硫黄泉(実は別府で硫黄泉というのはメジャーではない)
というと明礬温泉周辺が有名ですが、硫黄の感じを存分に味わいたいのなら堀田温泉をおすすめしたいです。
堀田温泉でピカイチの硫黄泉といえば、
「夢幻の里春夏秋冬」という立ち寄り施設の貸切風呂です。
真っ白で湯の花も豊富な温泉を味わえます。石組みの湯船や施設の設えも素晴らしいです。
しかし貸切風呂はちょっとお高い…(大浴場は700円です)、もっと手軽に温泉を楽しみたい、という方には、
市営の堀田温泉をおすすめします。210円でいつまでも入っていられます。
しかもこちらの施設、2003年にオープンした新しい施設で、広々とした内湯と露天風呂が自慢、
露天風呂の周りはちょっとした庭園のように整備されていて気持ちが良いです。
館内のどこでもほのかにやわらかな硫黄の香りが漂います。
整備された化粧室、無料の休憩所、広い駐車場と利用者の事をよく考えられて造られていると思います。
初めて訪れた時はとても市営と思えず、入湯料210円と聞いて驚いたものです。
そして上質な硫黄泉のファンになってしまい、別府に行くと必ず入る温泉になりました。
【こんなに楽しめて市営?!歴史を感じさせる柴石温泉】
次に紹介する柴石温泉は、温泉郷の北西端にあります。
地獄めぐりの血の池地獄を目印に行くと良いかもしれません。
市営の温泉施設な柴石川沿いにあり、周囲は山里の雰囲気があり静かなところです。
少々道が狭いので、車で行く際は注意が必要です。
別府温泉郷の中でも古い歴史を持つ温泉で、平安時代から湯治場となっていました。
泉質は含鉄泉、単純泉、塩化物・硫酸塩泉で、やや白み・緑がかった熱いお湯です。
市営温泉が整備される前、柴石温泉といえば川沿いの滝湯(打たせ湯)が有名でした。
残念ながら2003年に閉鎖されて再開の予定は無いそうですが、小屋はまだ残っています。
また蒸し湯も昔に行われていたようで、その跡地を見る事ができます。
市営施設は平成に入ってから整備されており、新しいですが歴史を感じさせ、周囲の自然に合った佇まいです。
広々とした綺麗なロビー棟、別棟の大浴場、家族湯棟といくつか建物があります。
高い天井が気持ち良い内湯は石造りの湯治場といった浴槽で、あつ湯とぬる湯の二槽があります。
露天風呂も石造りで綺麗に整備されており、内湯よりも若干ぬるい温度が気持ちよく、
いつまでも入っていられます。
露天風呂のすぐ隣にはむし湯があります。
ここは普通のサウナと違い、熱い源泉を竹を敷いた室内床下に通す事により蒸し風呂とするのです。
お湯だからと侮るなかれ、中は相当熱いです。
柴石温泉は八湯の中でも本当にマイナーで、私もなかなか行こうという気になりませんでした。
イザ行ってみるとその鄙びた静かな雰囲気やクセのない優しい温泉、綺麗な施設にファンとなってしまった次第。
こういう施設なので、観光客が少なめでゆったりと過ごせるところも良いと思います。
しかもこの内容で210円、市営。つくづく別府とはスゴいところだな…と思います。
【やはり別府の看板はココ!別府(竹瓦)温泉】
最後にご紹介するのは、今や別府温泉郷の顔といっても良い施設、竹瓦温泉です。
別府温泉とは別府駅周辺に沸く温泉の総称で、駅前にも高等温泉というレトロでとても良い温泉があります。
竹瓦温泉も別府温泉の1つであり、駅から国道10号線に向かい、竹瓦商店街の入り口に建っています。
ここの特徴は色々あります。まずは昭和13年建築の建物。
昭和レトロ全開の木造建築はいつまで眺めても飽きがきません。
外観だけでなくロビーも木のぬくもりを感じさせる造りになっています。
次に砂湯。別府でも砂湯に入れるのです。浴衣つきで1000円の別料金を払い、男女別の浴室へ入ります。
方法は指宿温泉などと同じで、浴衣を着て砂の上に寝て、
その上に砂をかけてもらってサウナ状態で温まるというものです。
ここで嬉しいのが、砂場のすぐ隣に設けられた浴槽。砂湯は入っている時間こそ短いですが結構汗をかきますし、
当然体じゅう砂だらけになります。
この状態をすぐにサッパリできるというのはとても有難いです。
そして私が一番好きなところは、普通浴場の浴室の雰囲気です。
実は別府、というか九州で初めて入った共同浴場が竹瓦温泉でした。
脱衣所の中に入った時の驚きといったら!何と脱衣所と浴室のしきりが無く、
脱衣所から階段を降りて湯船の方へいく造りではありませんか。
明治~昭和初期には一般的な造りだったそうで、
先述の駅前高等温泉や古くから建て替えていない施設にはまだ残っているそうです。
脱衣所との高低差があるので、浴槽に浸かっている時は高い天井がとても気持ちよかったです。
そしてシャワーなんて軟弱なものはありません。自分で手桶にお湯を張り身体を洗います。
イスも無いから、石造りの床に座っての洗い。
これが昔の入り方なんだなあ…ととても情緒溢れる入浴体験をしました。
ちなみに泉質は塩化物・炭酸水素塩泉。普通浴場入浴料は100円です。
【おわりに】
いかがでしたでしょうか?
別府温泉には八湯の市営施設の他にも無数の施設があります。
まずお手軽に入れるこうした市営施設を味わってから、
好きな泉質のお風呂をハシゴする…そんな楽しみ方ができるのも別府ならでは。
独特の雰囲気を味わえる市営温泉めぐりを是非体験してみてください。