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京都の鴨川には、北の方からいくつか橋が掛かっています。
川が二股に分かれている出町柳から南下して、賀茂大橋、荒神橋、丸太橋、二条大橋…7つ目の四条大橋を西に、
八坂神社の方へと渡ってすぐに目がつく、四条通りのランドマーク「京都四條 南座」。
通称「南座」は白い壁に、鬼瓦が葺いてある京都の町に昔からある劇場です。
主に歌舞伎の公演に使われるこの劇場ですが、毎年、年末になるとその様相ががらりと変わります。
【師走の祇園四条は夜も賑やか】
その昔、「おけいはん」こと京阪電車が今のように地下を走らず、地上にレールを敷いていた時代に、年末になると「顔見世列車」と呼ばれる名の列車が走っていました。
南座で毎年11月31日から1ヶ月上演される「顔見世公演」に足を運んだ観客たちのために、特別な深夜ダイヤで走っていた列車のことです。
顔見世公演とは、関西と関東に在籍する歌舞伎役者が一堂に会して行う公演で、数ある歌舞伎公演の中でも、最も華やかなものの一つとされています。
朝から晩まで上演される公演で、現在でも終演は夜10時を回ることも…昔は日付が変わるか否かの時間まで上演することがあり、帰りの足がない観客のためにそのような列車があったそうです。
【その年最後のハレの場】
この顔見世公演、今でも十分な賑わいを見せておりますが、昔の京都の人々にとっては、一年を締めくくる大事な行事でもありました。
一年間お金をためて、公演のチケットを買うだけでなく、この日のために着物を新調し、その年最後の「ハレの場」に臨んでいたそうです。
今では京都の人に限らず、日本各地から師走の京都観光を兼ねて、南座を訪れる人々がいますが、「ハレの衣装」で臨んでみるのもきっと面白いでしょう。
京都の文化を、より肌で感じられるかもしれません。