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別府温泉郷に滞在中の観光と言えば、温泉めぐりや地獄めぐり、高崎山や海たまご水族館がメジャーです。しかし
別府市の西側は鶴見岳をはじめとする山岳地帯・高原地帯で、豊かな自然を気軽に楽しめるエリアでもあります。
今回はそうした中で、私のおすすめスポットをご紹介します。
【冬が本番!霧氷が美しい鶴見岳】
別府温泉の西側にそびえる鶴見岳は標高1375m、その美しい姿は別府のもう一つのシンボルでもあります。
別府で温泉がよく沸くのはこの鶴見岳や背後の伽藍岳といった火山帯のおかげであり、
古代から地元の信仰も集めてきました。
鶴見岳南嶺には城島高原を越えて湯布院に向かう県道11号線が走り、ヘアピンカーブが続く結構な登りです。
この道沿いに鶴見岳ロープウェイの乗り場があります。
ここから何と山頂近くの1300m地点まで、700mあまりの高さを登るロープウェイなのです。
おかげで山頂までは歩いて10分程度で到着、ここから眺める別府温泉の湯けむりや別府湾の景色は最高です。
眺めが良いだけでなく、ミヤマキリシマの群生や紅葉といった山の景色も楽しむ事ができます。
また冬場には葉の落ちた木々の枝に細かい氷が付き、
一面白い花をつけたように見える霧氷という現象が起こります。
日が昇ると溶けてしまいますが、山頂付近は長い時間残りますので、
冬の別府にお泊りの際は是非別世界の景色を堪能してみて下さい。
【高原の湖畔でのんびり散歩】
先述の県道11号線を湯布院へ進むと、じきに志高湖と神楽女湖の標識が見えてきます。
標高600mにある湖で(神楽女湖は池程度の大きさですが)、
大正時代から「別府三勝」に比定され観光地化されてきました。
標高が高いこと、そして鶴見岳の南側という位置のため、
なんと鶴見岳と由布岳が同時に眺められるという湖なのです。
澄んだ湖面に映る山々の景色はそれはもう素晴らしいです。
大正時代に開けた観光地ですが、現在では様々な施設が閉鎖になってしまっています。
それでもキャンプ場、ボート乗り場、売店、芝生広場があり、今でも市民の憩いの場となっています。
神楽女湖は志高湖と遊歩道で繋がっています。
ここで有名なのは何といってもハナショウブです。
6~7月には80種15000本が咲き乱れ、湖上に浮かぶ東屋までの遊歩道を歩きながら鑑賞する事ができます。
初夏に別府温泉に泊まった際は、散歩かわりにゆったり過ごしてみたい場所です。
【東洋のチロルと呼ばれる素晴らしい峡谷】
県道11号線に戻り、城島高原パーク手前交差点を南に曲がり、今度は県道52号線を進むと、
由布市との境あたりで「由布川峡谷」という看板が見えてきます。
城島高原のあたりを源とした由布川が、この一帯に広がる岩盤質を長い時間かけて侵食し形成された「峡谷」です。
日本によくある「渓谷」ではなく、本当に崖に囲まれた深い谷なのです。
景勝地として観光できるのは、この市境の約2km程の箇所です。
峡谷入り口の駐車場から階段を降りるとすぐにたどり着けます。
県道や山里からすぐ着いてしまうのに、こんな景色に出会えるなんて!と、初めて訪れた方は驚かれると思います。
断崖や巨石の曲線美、苔むす緑、上には夏は新緑、秋は紅葉の木々…そして岩肌を流れる水はとても澄んでいます。
観光客がワッと押し寄せる場所でもないので、河原の石に腰掛けて、静かな時間を過ごす事ができます。
別府温泉から車で20分ほど離れていますが、大分県の中でも是非訪れてほしい景勝地です。
【実は絶景!県道11号線ドライブ】
別府から湯布院へ行く道は、鶴見岳南の県道11号線、伽藍岳北の県道617号線があります。
高速道路が走るのは617号線側で、道路幅も広いためかこちらを利用する方が多いようです。
しかし私は断然、11号線の方をおすすめします。
城島高原パークの遊園地を過ぎると、それまで緑の木々に囲まれていた景色がガラリと変わります。
由布岳の山腹は草原地帯になっており、過去の噴火の名残である溶岩ドームや岩石があちこちに散っています。
背の高い木々が無いためたいそう見晴らし良い道を進むと、
由布市に入った辺りから湯布院の街に向かって急激に下っていきます。
ここからの湯布院の街を見下ろす景色がまた素晴らしいのです。
途中に狭霧台という展望ポイントがあり、駐車場からゆっくりと眺める事ができます。
ここでのおすすめの時期は冬場の早朝です。湯布院は盆地のために霧が溜まりやすく、
運が良ければ街一面が霧に包まれる幻想的な景色を見る事ができます。
別府からでも車で30分程で着きますので、早朝のドライブに行ってみてはいかがでしょうか。
【おわりに】
いかがでしたでしょうか?
こうした自然景勝地を温泉と一緒に楽しむ事で、心身共にリフレッシュできる旅行になると思います。
大分県まで来て別府市内だけ観光というのも中々難しいでしょうが、
たまにはこうした旅も良いのではないでしょうか。