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「環境とか財務とか人権とか大きいことばかり言われても…」仰る通りです。
企業の担当者にとってCSRとは「ステークホルダーに報告しなきゃいけないこと、
Reportを作らないといけないこと」なんです。


CSRには企業のためのガイドライン「こうしようよ」という方向性がいくつかあるんです。
 
環境、財務、人権と言われても具体的に何をすればよいのでしょうか。
企業の担当者にとってCSRとは「Reportを作ってステークホルダーに報告すること」でもあるです。
その報告内容についてあらゆる団体が企業のためのガイドラインを策定し、方向性を示してくれています。
 
ひとつはISO26000です。
ISOとは国際標準化機構で、様々な工業分野での国際規格を策定する非政府組織です。
品質マネジメントについてのISO900シリーズと環境マネジメントについてのISO14000シリーズが
企業の方にとっては有名ですね。
そのCSR版が2010年11月1日に発行された、ISO26000になります。
日本も2011年10月に批准済みです。
この規格はその他のISOと違い、手引(ガイダンス)規格であり、要求事項を示した認証規格ではありません。
具体的な構成は適用範囲、用語と定義、社会的責任の理解と原則、ステークホルダーとの関係性を認識することの重要性、
社会的責任の中核主題、組織で実践する際の項目や方法などから成り立っています。
ここで述べられている、「社会的責任」に関する定義と原則である「7つの原則」と、
中心要素でもある「7つの中核主題」を少し触れておきましょう。
 
ISO26000での社会的責任についての定義は、企業のみと限定せずに
「組織活動が社会及び環境に及ぼす影響に対して組織が担う責任」です。
これを果たすために「7つの原則として、説明責任、透過性、倫理的な行動、ステークホルダーの利害の尊重、
法の支配の尊重、国際行動規範の尊重、人の尊重を挙げています。
これ受けて実際の項目でもある「7つの中核主題」では、組織統治、人権、労働慣行、環境、公正な事業慣行、
消費者課題、コミュニティへの参画及びコミュニティの発展としてまとめられています。
 
もうひとつ代表的なガイドラインはGRIガイドラインです。
GRI(Global Reporting Initiative)は、CSR報告書のガイドライン策定と普及を目的した
まさにCSRのためのNGOです。
CSRガイドラインの中では一日の長があり、国内外の多くの企業がこのガイドラインに基いて報告書作成を行っています。
最大の特徴は、あくまでCSRを実践する手引としてのISO26000と対照的に、
報告書作成の手順に則り開示項目をまとめていることです。
2013年5月発行の「Sustainability Reporting Guidelines第4版」(通称G4)が最新版であり、
日本語訳もGRIから出されています。
これにどこまで準拠できるかが問題になりますが、経済(財務、間接的な影響、調達…)、
環境(原材料、エネルギー、水、生物多様性、大気への排出、廃棄物…)、
社会(労働慣行、人権、コミュニティ、製品責任…)と多くの項目を網羅している点は、
CSRに携わる上では必読書と言えるでしょう。
 
この他にも2つほど触れておきましょう。
まずは日本の環境省が出している環境報告ガイドラインも重要です。
かつては環境報告書の項目をメインに据えたものでしたが、現在はCSR報告書の項目も加えられています。
環境報告が重要である、製造や化学の企業ではこれに準拠することが大切になりますね。
次は詳細な開示項目を述べたものではないですが、国連グローバル・コンパクトです。
4カテゴリー10原則から成り立ち、現在世界145カ国1万を超える団体(そのうち企業が7,000)が参加しています。

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