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全国でも有数の観光地である箱根。
箱根湯本や強羅、仙石原、芦ノ湖周辺で遊ぶかたが多いと思いますが、
最近は宮ノ下の人気もじわじわと上がってきているのです。
箱根は幕末以降、外国人専用の保養地として開発されましたが、宮ノ下もそうしたエリアの1つ。
富士屋ホテルを始め、国道1号線沿いにはレトロな雰囲気が残ります。
そんな宮ノ下は箱根でも私のお気に入りのエリアです。
箱根登山鉄道の宮ノ下駅を降りると、早速木造りのお洒落な建物が目に入ります。
ここがナラヤカフェで、何と足湯に浸かりながらお茶ができるのです。
寒い時期の為にクッションやひざ掛けが、そしてパラソルも完備。
木のぬくもり漂う店内で、足湯で温まりながらコーヒーや紅茶、軽食になんとビールもいただけるのです。
カフェの2階はギャラリー、お向かいは木製雑貨を主に取り扱うショップがあります。
ゆくゆくはB&Bもできるそうで、私はワクワクしながら待っています。
駅からの坂を下り、1号線に出ると「堂ヶ島温泉」の看板が見えます。
箱根八湯にも数えられる由緒ある温泉で、早川の渓谷沿いで入る露天風呂はとても良かったです。
名物は何といっても宿までの乗り物、2軒あった旅館はそれぞれ
ロープーウェイとモノレールに乗らないとたどり着けませんでした。
しかし残念な事に2軒とも2013年に休業、2018年に2軒合わせた形でリニューアルオープンするそうです。
とても楽しみです。
1号線をさらに強羅方面へ歩くと、宮ノ下のランドマークとも言える富士屋旅館が見えてきます。
この周辺が宮ノ下の中心地でして、1号線にも「セピア通り」という愛称が付けられているように、
大正レトロな雰囲気が漂うエリアとなっています。
歩いて建物を見ているだけでも面白いのですが、折角なので古美術を扱うお店に入ってみてください。
和洋のとても素敵な品々と出えます。ちなみに私のお気に入りは大和屋さんです。
これら骨董屋以外にも、お土産屋の山田屋さんもお気にいりです。
ここでは様々な寄木細工が売られていて、お手軽な小物から何万円もするような品まで色々扱っています。
箱根名産といえば寄木細工、木の質だけで色の濃淡を表した暖かい製品です。
忘れちゃいけないグルメも様々あります。まずは富士屋ホテルグループのパン屋ピコット。
ホテル内で出されるパンがスイーツが宿泊しなくても味わえます。
またカレーやスープのレトルト、ソーセージ、ドレッシングといった富士屋ホテルブランドのお土産品も扱っています。
ここのパンは本当にどれも美味しいです。中でもドライフルーツと合わせたものがお気にいりです。
そして宮ノ下のT字路を左に曲がり坂を少し登ったところにある豊島とうふ店。
店がまえはどこにでもある普通の町のお豆腐屋さんですが、ここの汲み豆腐は店先で食べられるのです。
ふわとろな食感は何とも言えず優しいお味。宮ノ下散策で小腹が空いた身にはたまりません。
こうしたお店を堪能した後、シメで向かうのは温泉…でも良いのですが、ちょっと変わった入れない温泉を目指します。
宮ノ下のT字路まで戻り、国道138号線方面に向かいます。
しばらくすると本線から逸れて、早川の支流の蛇骨川沿いを通る道があるのでそちらに入ると、
じきに柵だけで舗装のない遊歩道が見えてきます。
この遊歩道を5分ほど歩くと、下方の川沿いに「太閤の岩風呂」という看板が見えます。
ここは豊臣秀吉が小田原征伐の時に箱根へ逗留した際、
好んで入った「底倉の湯」という露天風呂跡と言われているそうです。
現在はここに温泉は湧いていませんが、同じ泉源からお湯を引いた宮ノ下温泉太閤湯という共同浴場があります。
ここで秀吉と同じ湯に入ったぞ!と思うのも良いかもしれません。
蛇骨川沿いは広葉樹がうっそうと茂る森林地帯で、春の新緑、秋の紅葉の時期には素晴らしい景観が広がります。
ここの景色を見るためだけに箱根へ行っても良いと感じるほど見事なものです。
箱根の他のエリアに比べて観光客が少ない事もあり、静かにゆっくりと散策を楽しむ事ができます。
箱根でゆっくりと温泉・自然・歴史を味わい、さらにグルメやショッピングを楽しみたい時には、
是非宮ノ下に泊まって1日ゆっくり過ごしてみてください。