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今、雲海に浮かぶように見える山城が「天空の城」として、日本中でブームになっています。
オリジナルは兵庫県朝来市にある竹田城の城址ですが、
あちこちの山の上にある城を「天空の城」と呼ぶのが流行っています。
夜叉ヶ池は、福井県南条郡南越前町(旧今庄町)と岐阜県揖斐郡揖斐川町(旧坂内村)との境界にある
「夜叉ヶ池」は、標高1,099 mの「夜叉ヶ池山」の山上にあり、本物の「天空の池」です。
この夜叉ヶ池山とはどのようなものなのでしょうか。
今は、岐阜県側と福井県側に登山道が整備されていますが、昔は訪れる人もない秘境でした。
周囲は230 m、水深は7.7 mあり、周囲は原生林におおわれています。
山頂ですが、不思議な事に湧き水があり、池の水は枯れる事がなく、水量はいつも一定に保たれています。
枯れる事の無い池とその神秘的な佇まい、人の近寄り難い場所のため、夜叉ヶ池には古くからの言い伝えがあります。
神秘的な湖沼には龍神が住むと言われています。
かんばつに見舞われた村人が、その龍神に娘を与えると雨が降り、村が救われます。
この娘の名を取り、夜叉ヶ池という伝説です。
この伝説をヒントに、後に泉鏡花が戯曲「夜叉ヶ池」を書き上げました。
また、人間社会とは隔絶された地のため、原生から変わっていない貴重な動植物が生息しています。
その一つ、ヤシャゲンゴロウは世界中でここでしか見ることができないレッドリスト絶滅危惧I類のゲンゴロウです。
農林水産省と環境省、「ヤシャゲンゴロウを育てる会」が保護、育成に取り組んでいます。
ちょうどスタジオジブリの映画「天空の城ラピュタ」に出てくる楽園のロボットのように、
天空の池で太古から変わらずヤシャゲンゴロウが健気に泳いでいるのかと考えますと、ほのぼのと癒されます。