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和製ホラーと洋ホラーは「何か」が決定的に違うと良く言われています。
その「何か」の定義は個人によって違うのでしょうが、大筋は1つにまとめることができるのです。


要点をまとめて書くと、

■「味を引き出すのか、味を重ねるのか」

というものになります。典型的な例を使って実際に検証してみましょう。

「味」とは「ホラーテイスト=怖さ」の意味合いです。
しかし、この「味」はそのままの意味で考えても和洋の差を見事に表現できるのです。
例えば、日本人が大好きな寿司はワサビが入っています。
これにより味が引き締まり、魚とシャリの「旨味」が引き出されています。
他にもスイカやアンコに塩、など、一件その「味」を邪魔するようなものを取り入れて際立たせる傾向があります。

実際の映画で言うと、「仄暗い水の底から」の序盤は、女性が普通の不動産物件を訪問します。
おそらく、SEと音楽を変えればラブロマンスでも使えるような構図です。
この日常的で、なにげない構図が「ワサビ」や「塩」に相当します。
つまりは、緩急をつけることで奥深くに存在する恐怖を引き立たせやすいパターンを多く使用しているのです。

一方、洋ホラー、とりわけアメリカのホラー映画やゲームは、グチャグチャなモンスターが、思いもよらない箇所で飛び出してきます。
怖いものが怖いであろう瞬間に出てくるから、当然怖い。
怖さを重ねているので、誰でも分かりやすい怖さがあると言えます。
そう言えば、ハンバーガーやピザもはっきりとした味があるので、誰にでも分かりやすい美味しさがありますよね。

近年になって、相互の交流が盛んになり境界が曖昧になっている節がありますが、長年培ってきた映画・小説等の技術は使いやすいので、和ホラーと洋ホラーでは上記のような明確な差が出やすいとも言えます。
どちらも、「美味しい」ホラーであることは間違いありません。

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