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私には、ちょっとした霊感があり、体験したその話を聞くとその風景が見えるというもので、
俗にいう「霊視」だという事に気付いたのは最近の事です。
親戚があつまる宴会の席で、おじさんにその力の話を漏らした事が事の発端です。


酔っていて覚えていないだろうと思っていたのですが、後日おばさんを通じて相談の電話が来たのです。

電話の内容は、おじさんの家での出来事で、2世帯住宅のおじさんの家では
1階がおじさんのご両親の世帯が、2階はおじさん達の世帯となっていました。
おじさんの話によると、洗面所で顔を洗っていると何かが後ろを通る気がして、
振り返ると何もないというのがここ数日続いているとの事。

「電話で、見えるもんなの?」
おばさんの電話の声に反応するように、私の脳裏には日当たりのよい廊下が見えてきました。
それと、同時に廊下の奥から人が歩いてくるのが見えました。

「おばさんの家に廊下に窓なんてあった?」
「廊下にはないけど、階段の踊り場には窓があるけど?」

私は、その階段の下に立っていた様です。
廊下を歩く人がどんどん私に近づいて来るのですが、全く容姿が分からないのです。
普段は性別や年齢層、調子が良ければ顔などもしっかり見る事が出来るのですが、
その人は黒く塗りつぶされたかのように真っ黒で、まるで影のように見えました。

そのまま後ろをついて行くと、廊下の突き当たりの仏壇がある和室に入ったようで、
中から声が聞こえてきました。

「…ク…ネ、……クシネ。」

耳を澄ましてみると…

「早く死ね、早く死ね…」

これは、危ない!

そう思った瞬間、黒い人は急に振り返り私の首を絞めてきたのです。
押し倒された私に馬なりになった黒い人は、私の耳元で…

「邪魔するな」

表情は見えないものの、ものすごい怒りが伝わってきました。
意識を今いる自分の部屋に戻しても、喉のあたりに痛みがありました。

「ねぇ、大丈夫だよね?」
おばさんの心配そうな声が受話器から聞こえました。

「大丈夫だよ。おじさんの気のせいだって伝えておいて。」
その場はそう繕いましたが、実際は大丈夫には見えませんでした。

その事を気にしてはいましたが、ずっとおじさん夫婦には言えませんでした。
そして、先日おじさんのお父さんが急に亡くなり、お通夜に行ってきました。

驚く事に、お葬式には私の首を絞めた、あの黒い人が棺の前で、お経の最中ずっと高笑いをしていたのです。

これは想像ですが、恨んでいたのは、おじさんのお父さんの事で、
おじさんのお父さんが亡くなった事がよほど嬉しくて、笑っていたのかもしれません。

ちなみに無くなったおじいさんは先祖供養を全くしていなかったようです。
もしかすると、その先祖の誰かが怒っていたのかもしれませんね。

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