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なぜ尿に蛋白がでるのでしょうか?
腎臓は血液中から余分な水分や老廃物を濾しとる“ふるい”のようなものです。
通常、血液中に含まれるタンパクは腎臓のこの“ふるい”の目より大きく、ふるいの目を通る事ができません。


つまり、正常な場合、尿中に蛋白は含まれません。
ではなぜ尿中に蛋白が出て来る事があるのでしょうか?
理由はいくつか考えられます。
1つ目は、出てきたタンパクそのものが“ふるい”の目よりも小さい場合です。
2つ目は、なんらかの理由でこの“ふるい”の目がタンパクのサイズより大きくなっている事です。
3つ目は、尿が腎臓を出た後、尿管、膀胱、尿道のどこかからタンパクが漏れ出てきた場合です。

1つ目の理由で考えられる病気は、溶血生貧血や多発生骨髄腫などで、
通常では見られない種類のタンパクが尿に出て来る状態です。
これらのタンパクは“ふるい”の目よりも小さい事が多いので、濾しとられず尿に出ます。
2つ目の理由で考えられる病気は、簡単に言うと腎臓病です。
3つ目の理由で考えられる病気は、尿路、つまり腎臓を出た後に尿が通る通り道、
尿管、膀胱、尿道に炎症や腫瘍、結石がある場合です。
この場合、それぞれの理由で出血が生じ、尿に血液が混じる事で、
血液中のタンパク質が検査に反応し、尿タンパク陽性となります。

例外的に、通常の尿検査では検出できないタンパクが尿中に存在する事もあります。
その場合は、他の検査からそのタンパクの存在が疑われ、特殊な尿検査をする事になります。

以上は、なんらかの病気が原因で尿タンパク陽性となる事を説明しましたが、
病気が原因でなくても陽性になる事があります。
これは、生理的タンパク尿と呼ばれるもので、いくつかの原因があります。

1つ目は体位性タンパク尿で、背骨が曲がっている為に腎臓の血管が圧迫されることで
腎臓の血管からタンパク質が漏れ出るのが原因です。
2つ目は運動性タンパク尿で、激しい運動によって尿にタンパクが混じる場合です。
3つ目は熱性タンパク尿で、発熱により一時的に尿にタンパクが出る事があります。
これは熱が下がるとタンパクは出なくなるので、原因が簡単に特定できます。

その他、生理前や中、精液や膣分泌物が尿に混じる事により、タンパク陽性となる事があります。
これらは検尿をする時期や方法を変える事(正しい方法で検尿をする)で防ぐ事ができます。

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