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カーナビがこの世に生まれてからおよそ30年。
初期型のカーナビと言えば、地図の上に自車の位置を載せるだけの至って簡素なものでした。
当時はまだデジタルの地図ではなく、紙の地図が主流の時代でしたので、
自動で自車位置を地図に映し出してくれるというだけでも画期的なものでした。
ただ、今と違い、当時は自車位置特定の精度がイマイチで、道路上を走っていないこともしばしば。
そういうレベルからカーナビの進化の歴史が始まったのです。
■クルマとともに進化
カーナビという機器は自動車にプラスの価値を提供するモノでしたので、電気メーカーと自動車メーカーが
それぞれ協力し合い、あるいは開発に凌ぎを削り合って進化してきました。
最初の大きな進化はマップマッチング精度の向上でしょう。
初期のカーナビはジャイロ(慣性により移動方向を特定する計測器)により自車位置を追跡していました。
その後、アメリカの軍事用として使用されていたGPSが一般利用できるようになると、
ジャイロとの併用によって測位することで精度が飛躍的に向上しいきました。
それから約20年余り、ルート探索機能、施設検索機能、プローブ情報を用いた渋滞考慮機能、データ更新など、
挙げればきりがないほど様々な機能が搭載されるようになり、日本人にとっての旅の必需品へと進化を遂げています。
■自動運転技術に向けたカーナビの挑戦
現在市場に出ているカーナビには、安全運転を支援するシステムが幾つか搭載されています。
例えば一旦停止位置直前での警告や、速度規制のアナウンス。
また、車載カメラと連動し、レーン(白線)から離脱しそうなときに警告を出す機能もあります。
一方で、一部の自動車メーカーは2020年に「自動運転者」を投入することを宣言しています。
カーナビの安全運転支援機能の進化、そして自動運転の実現。
これら2つの動きは連動しているように思えるのは私だけでしょうか。
自動運転システムにカーナビが寄与するのであれば、自動で最適ルートを決定する探索機能や、
道路を逸れることがないような正確なマップマッチングも当然必要になってきます。
これまでクルマとともに進化してきたカーナビ。これからの自動運転に向けたクルマの革命に
カーナビが手を貸すことになりそうです。