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■奄美大島に配流される
月照と入水自殺を図ったものの、運よく蘇生した西郷は、奄美大島に配流されました。
奄美大島はブルーの海に熱帯魚が泳ぐ珊瑚の美しい島です。
洞窟あり、マングローブのジャングルがあり、亜熱帯の自然があふれる美しいところ。
しかし、知り合いの1人もいないところで、空き家を借りた西郷はさぞ戸惑ったことでしょう。
■愛加那(あいがな)の世話をうける
そこで、島の娘が世話役として選ばれました。
名前は愛加那(島の呼び方でオトマガネ)と言いました。
西郷より10歳年下でした。やがて二人は結婚します。
そして、菊次郎という息子をもうけました。
西郷は土地の人に親切にされたそうです。
また、子ども達に学問を教えるなどして、ますます慕われたようです。
西郷は島で3年間生活をしました。
■島を出る。妻のお腹に子どもが
やがて、西郷は罪を許され帰還することになりました。
島妻は島から出られないという規則があり、愛加那と菊次郎は島に残りました。
また、その時、愛加那のお腹には子どもがいました。
その子は女の子で、菊草と名づけられます。
後に、西郷の本妻イトに引き取られました。
愛加那にとっては、つらい別れだったことでしょう。
■今も残る西郷南州流謫地(さいごうなんしゅうるたくち)
鹿児島県大島郡龍郷町龍郷には、西郷と愛加那が暮らした家が復元修築されています。
茅葺き(かやぶき)の家で、つつましく暮らしていたことがわかります。
激しい時代を生きた西郷にとってこの3年間は、家庭の幸せを手に入れた穏やかな時期だったと思います。
家のそばには、ユカリッチュ(豪農)として知られる龍家(りゅうけ)の墓があり、
そこに愛加那が今も眠っています。