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体だけが資本の消防士ではダメ!
難解な法律を駆使する頭脳も必要。
消防士の最大の武器、それは消防法!
▪️火消しより救急?
消防は肉体だけ凄ければ勤まると思っている人は多いのが実状です。
消防に志願する人も体育や体を動かすことが得意だったりする人が多いのです。
もちろん過酷な火災現場で総重量20kgにもなる装備を背負って活動をするわけですから
体力や筋力は人並み以上、アスリート並にあるに越したことはありません。
しかし近年火災が減っている中で、火災の100倍以上もの出動件数がある救急の需要は膨大です。
救急隊になるには当然のことながら医学を学びます。
そして1チーム、2〜3名で編成される救急隊には原則1名の救急救命士を配置なければなりません。
救急救命士とは国家資格で、数百時間の救急の現場経験と難度の高い国家試験に合格しなければならないのです。
相当の努力家でなければ決してなることはできません。
▪️消防士の現場以外の業務
現場の仕事以外でも日勤というものがあります。
月から金までの8時から17時まで働く人たちです。
日勤の中に予防業務というものがあります。
消防は火災が起こってから活動するだけでなく、火災が起こらないように
予防する業務も重要でもっとも根幹の仕事です。
主な仕事は火災予防をイベント等を通しての広報と建物の検査です。
この建物の検査はとても重要で専門的な法律の知識を必要とします。
個人住宅以外は建物を建てる際は全て消防の同意が必要です。
スプリンクラーや誘導灯、消火器、避難設備などが法律通りに設置されているか図面で確認したり、
問い合わせきた業者と相談したりします。
基準を満たしていれば、建物の建築開始に同意します。
そのあと中間検査に赴き、同意した図面通りに建設は進んでいるか確認します。
そして完成した後も完成検査という最終的なチェックをし、それに通れば建物を使い始めることができるのです。
逆に一つでも不備があれば改修するまでは建物の使用は許可されません。
また建物が完成した後も、一定の周期で消防が建物の検査にやってきます。
最初に同意した通りに消防設備は維持・管理されているか、また店舗の店長や責任者の中から
防火管理者は選任されているか、その人は消防計画を作成し届け出ているか。
またその消防計画に従って、消防設備の定期的な検査や避難訓練などを行っているのかなど検査します。
違反があれば是正指導しますが、悪質な場合は建物の使用停止命令をかけることもできるのです。
▪️消防士のバイブル、消防法
その消防の一つ一つの行為は全て消防法に記載されているのです。
それに則り消防は行動するのです。逆に消防法に載っていないことをすることは一切許されていません。
だからこそ消防士にとって消防法という難解な法律をしっかり学んでいなければなりません。
消防法はどんどん新しくなり、且つ厳しくなっていく一方です。
これをしっかり理解し市民に説明できないといけません。
こういった予防業務を専門とする予防課員には基本的に誰でも異動でなる可能性があるのです。
現場一本を希望していてもそれは人事が決めることなのです。
肉体的な訓練だけでなく、消防士は常に消防法という法律を日々学び続けなければならないのです。
消防法を理解して、駆使できる人こそが真の消防士なのです。