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大衆演劇は毎日演目が変わるので、渋い二枚目を演じた次の日は、メイクを崩したチャラい三枚目、はたまた、
翌日は奥ゆかしい女形芝居…など、座長クラスともなると、多種多様な役柄を見事に演じ分けているため、
その変貌ぶりと演技力が見ものです。


また、同じお芝居でも配役を変更することがよくあり、役者それぞれの演じ方を楽しむこともできます。
昼夜で変更になったり、ゲストの出演で違った味付けになったりします。
劇団によっては、同じお外題でも多少アレンジを加えて演出されることもあります。
(中には、やりすぎて名作が珍作になっていることも…)

舞踊ショーでは、好きな役者さんが踊っている間は、ドキドキしっぱなしです。
目が合ったーとか、曲によって今日の気分なのかなーとか、あれやこれやと想像を巡らしながら、目の前の役者との妄想を楽しみます。
ほとんどの劇場が舞踊ショーの写真撮影が可能ですので、しっかり目に焼きつけたいけど、写真も撮りたいというジレンマに襲われます。

絶妙なタイミングでハンチョをかけたり(「座長!」とか「○○ちゃん!」とかいうやつです)、合いの手を入れて盛り上げたり。
舞台と客席の一体感、距離が近くてゾクッとするほどの熱気と人間味。これがたまらないのです。

と、いうわけで、お気に入りの役者や劇団が見つかると、より一層楽しくなること請け合いです。
演目が替わると、印象も変わることがあるため、最初は同じ劇団を1ヶ月公演の間に2~3回見るようにするとよいでしょう。

大衆演劇の雰囲気がつかめてきたら、その後は1~2回ずつ、他の劇団を順に見ていくようにします。
すると、劇団の持ち味やそれぞれのカラーがつかめてくるようになります。
芝居に定評がある劇団、舞踊ショーが華やかで見応えのある劇団、座長がイケメン、座員の人柄が気さくでサービス精神旺盛、
苦労人だから応援したくなるなど…あなたなりの基準でお気に入りの劇団、役者が見つかるでしょう。

公演後は、役者さんがお見送りをしてくれます。
これを「送り出し」といいます。(※相撲の決まり手ではありません)
このときに、握手をしたり、言葉を交わしたり、写真撮影にも応じてくれます。
できれば、「楽しかった」とか「お芝居、良かったよ」などと一言添えると喜ばれます。

お気に入りの役者さんには緊張して、なかなか声をかけることができないという乙女なオバチャンもたくさんいます。(それは私か…)
中には、今まで化粧っけがなかったのに、きちんとメイクをしておしゃれをするようになったというオバチャンもいます。

大衆演劇は、役者と直接話しができることから親近感がわき、見るだけではなく、「会える」という感覚があります。
多くのお客さんにとって、喜びや励みにもなっていて、大きな楽しみのひとつといえるでしょう。

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