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「筑波嶺(つくばね)の 峰より落つる
男女川(みなのがは)恋(こひ)ぞつもりて 淵(ふち)となりぬる」
陽成院が小倉百人一首で詠んだた一句です。
筑波山は山頂が男体山と女体山の二つに分かれていることから、万葉の時代より恋の唄として詠まれることがありました。
■筑波山神社とは
全国各地の山岳信仰と同様、筑波山も山岳信仰の対象として古くから信仰の対象として仰がれてきました。
・筑波山神社の由来
・見どころ(文化財・天然記念物)
・筑波山神社の年中行事
に分けてご紹介いたします。
■筑波山神社の由来
関東平野に人々が暮らしはじめたころより、この筑波山の二つに分かれた山頂から自然と男女二神として祖神が祀られるようになりました。
その二つの神は日本神話で伝えられる「いざなぎ・いざなみ神」にならい、筑波の大神も「いざなぎ・いざなみ両神」として仰がれました。
筑波山神社には4つの摂末社があり、また境内には県文化財にも指定されてる神社があります。
■由緒ある文化財・天然記念物
筑波山神社の境内には多数神社が建立されておりますが、そのうち「日枝神社・春日神社・拝殿・厳島神社」は県文化財に指定されています。
寛永の頃に建立された朱塗りの建物は、森の緑に映えてその存在感を表しております。
同じく県指定文化財の「御神橋」と「随神門」は三代将軍家光公の寄進にて建立されました。
御神橋は普段渡ることができませんが、年二回の御座替祭の際に渡ることができます(後述)。
また境内には二つの植物が市の指定天然記念物として存在しております。
・丸葉楠(マルバクス)
この筑波山神社と福岡県太宰府の1本ずつが確認されております。
一般の楠とちがい、葉が大きく名前のとおり丸いのが特徴です。
・ホシザキユキノシタ
筑波山特産の植物で、白い星の形をした可憐な花を咲かせます。
■年中行事
筑波山神社で行われる行事の中で、特に重要な行事をご紹介します。
・元旦祭(1月1日)
一年の繁栄を願い、年頭より沢山の人々が祈りに参ります。
筑波山山頂からのご来光を拝む人々が登山に訪れております。
・年越祭(としこしさい)2月10日・11日
いわゆる節分にあたる祭りで、国の繁栄や身体安全・厄除けを祈願するため、年男が福豆と同時に福物を撒く祭礼であります。
・御座替祭(おざがわりさい)4月1日・11月1日
筑波山神社で最も重要な大祭になります。
夏と冬に親子の神が年に二回、山頂の御本殿と中腹の拝殿で神座が変わるといわれております。
この日に限り三代将軍家光公寄贈の「御神橋」を渡ることができます。
御座替祭は、
御本殿の神衣祭(かんみそさい)・・・神様が衣を変える
拝殿の奉幣祭(ほうべいさい)・・・捧げものを奉納する
神幸祭(じんこうさい)・・・衣替えした神様を神輿に祭り、氏子地域の中を練り歩き繁栄を祈る
以上の3つのお祭りの総称になります。
元々は冬至と夏至のに執り行われていたそうです。
神幸祭は当時の装束で地域を神輿が通るのを見られます。
天然記念物の咲く頃、また大祭が行われる時期に是非筑波山神社に訪れてみてはいかがでしょうか。