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■あの有名な絵師も描いていた!妖怪に命を吹き込むプロフェッショナルたち
妖怪が様々なグッズ化され、ブームとなっていた江戸時代。
当時のグッズといえばカルタやすごろくなどの子供のおもちゃや、大人が読んで楽しむ書籍が主流でした。
おもちゃや書籍の挿絵や絵巻には、絵師たちが手がけた個性豊かな妖怪画を見ることができます。
それぞれの絵師の技の巧拙はありますが、それも含めて味わい深い妖怪たちが描かれています。
かの有名な葛飾北斎も妖怪画を遺しており、リアルで凄味のある絵は現在の私たちが見てもぞっと身の毛がよだつほど。
『恐怖』や『ホラー』という言葉では表し切れない、独特の質感や迫力が画面から滲み出てくるようです。
他の絵師とは一線を画する、さすがの画力です。
また、妖怪絵師として忘れてはならないのが鳥山石燕。
『画図百鬼夜行』、『今昔画図続百鬼』、『今昔画図百鬼拾遺』、『百器徒然袋』の四部作からなる『百鬼夜行』シリーズを描いた絵師です。
一七七六年に刊行された『画図百鬼夜行』が大ヒットとなり、その後の『百鬼夜行』シリーズに繋がったと考えられています。
このシリーズは妖怪図鑑とでもいうべき本で、一ページごとに妖怪の名称、姿、ちょっとした説明文が掲載されています。
古典や伝承によった怪異や妖怪が載っているほか、鳥山石燕が言葉遊びなどを用いて創作したと思しき妖怪もこっそり紛れ込んでいることも。
遊び心も見え隠れするところが人気の秘密だったのでしょうか。
妖怪の個性と絵師の個性が合わさって生まれる妖怪画は、
今も昔も見る者に様々な感情や感想をもたらします。
本屋や図書館などでちょっと図録を探して眺めてみて、不思議な世界に浸ってみるのも良いものです。
あの有名な絵師が描いた作品をみつけることだってあるかもしれません。
お気に入りの妖怪絵師、探してみてはいかがでしょうか。
【参考文献】
(監修・高田衛/編・稲田篤信、田中直日)鳥山石燕『画図百鬼夜行』(国書刊行会、2001年)
編著者・京極夏彦 他『北斎妖怪百景』(国書刊行会、2009年)