JR線を利用して湯布院に来る人も、バスを利用して湯布院に来る人もまず最初に到着する場所は由布院駅。

その由布院駅こそ、湯布院観光の拠点なのです。

これからご紹介する辻馬車もレンタサイクルもスカーボロも、全てこの由布院駅で予約して出発します。

人力車は少し歩いた湯布院名物の五叉路にありますが、それはまた後でご説明しましょう。

■可愛い馬と軽妙な語りの御者はパーフェクトコンビ

湯布院名物の一つが、湯布院の田園風景と呼ばれる場所を中心に回っている辻馬車でしょう。

田園風景と呼ばれる場所は秋には黄金色の稲穂の海原を見ることができ、懐かしい気持ちにさせてくれます。

観光名所として有名な金鱗湖周辺の賑やかな場所とはひと味違う湯布院を味わうことができます。

金鱗湖周辺とは異なり、徒歩で行くには遠い場所ですから、辻馬車の高い座席からゆったりとした気持ちで流れる景色を楽しむのがお勧めです。

辻馬車は由布院駅の中の温泉観光案内所で予約をすることができますから、自分の都合の良い時間の辻馬車の予約を早めに取りましょう。

座席数が限られていますから、人気の時間帯は直ぐに埋まってしまうので要注意です。

辻馬車は何台かあり、御者の方と馬、そして馬車が一組になっていて、御者の方と馬の信頼関係を間近で見ることができて感動します。

座席は多くないので、馬車の後ろの席でも御者の方の話はちゃんと聞こえますから安心してください。

御者の方は辻馬車を運転しながら今馬車が走っている場所についてや、湯布院全体の話など沢山して下さり、乗客を飽きさせない工夫がされています。

私が乗った辻馬車の馬は「ユキちゃん」という白馬でした。

市場で馬肉としてセリにかけられていた馬を御者の方が最初から調教して、今では由布院の名物辻馬車になっています。

馬は人間と同じで全身に汗腺があり、とても沢山の汗をかくそうです。

私が乗ったときは途中で一度休憩があり、そのときにユキちゃんが立っていた場所はアスファルトが水浸しになってしまいました。

馬を間近で見る機会はなかなか無いと思いますので、湯布院観光という意味はもちろんですが、馬と触れあう楽しみも満喫することができます。

途中の休憩場所ならば辻馬車を途中下車することもできますので、移動手段として利用しても良いでしょう。

途中下車しない場合は出発地点の由布院駅まで戻ってくれます。

■クラシックカーに乗って気分は英国紳士に

由布院駅に降り立つと、右手に真っ赤な英国式のクラシックカーが見えるかもしれません。

これは、スカーボロと呼ばれる、観光用に改造された本物のクラシックカーの乗り合いバスで、駅の中の温泉観光案内所で予約をすると誰でも乗ることが出来ます。

辻馬車の御者さん同様、運転手さんが観光案内をしながら田園風景を中心に回ってくれます。

撮影スポットでは一時停止してくれることもあり、乗客は思い思いの写真をカメラに収めることができます。

現在、実際に人が乗ることができ、動く本物のクラシックカーは湯布院以外ではハウステンボスにしかないそうですから、湯布院を訪れた記念に一度乗ってみてはいかがでしょうか？

辻馬車は季節によっては運休していることもありますが、クラシックカーは整備点検や修理以外では運休はないので安心です。

こちらも辻馬車同様、座席に限りがありますから、自分の乗りたい時間帯が決まっている人は早めに予約をしておきましょう。

■気分は大正ロマン、人力車で自分好みのルートで湯布院の街を一回り

由布院駅から金鱗湖へ向かう道を歩いて行くと由布院名物の信号のない五叉路があり、そこに人力車の詰め所が有ります。

この場所以外でも、人力車はお客さんを乗せていない時にはいつでも声をかければ乗せて貰えますから、タクシー感覚で利用できます。

京都の渡月橋や東京の浅草などで見かける大手の人力車ですし、乗る前に料金について詳しく説明してくれるので安心して乗ることができます。

人力車は辻馬車やスカーボロに比べると高額ですが、自分の行きたい場所に連れて行ってくれるので、観光と移動を兼ねて楽しんでみてはいかがでしょうか？

私は湯布院に初めて行ったときに一番最初に２人乗りで人力車を使い湯布院のメイン所を全て回って貰いました。

湯布院についての知識が全く無かったので車夫の方が観光名所の話を沢山して下さり、短時間で湯布院の全てを知ることが出来ました。

由布院駅から出発し、田園風景で写真を撮ってもらったり、狭い道を通りながら湯布院の民家にはお風呂がなくても大丈夫で、地区ごとに決まった温泉があり、そこは住民の方しか利用出来ないことなど、観光ガイドブックには載っていない面白い話を聞かせて貰いました。

最後は金鱗湖まで行って貰い、そこで降ろして貰いました。

ガイドブックを読みながら勉強して観光地に行くのも楽しいですが、地元の人に珍しい話を聞かせて貰うのも楽しみの一つだと思います。

このときの車夫の方にはその後も何度かお会いして、お勧めのお食事処を教えて貰ったりしました。

こうしたご縁ができることも旅の楽しみの一つだと思います。

■自分のペースでのんびり湯布院を散策するにはレンタサイクル

辻馬車やスカーボロ、人力車を利用しないで、由布院駅前でレンタサイクルを借りて自由気ままに湯布院の街を散策するのも楽しいでしょう。

湯布院はわりと平らな地形なので、自転車での移動があまり苦になりませんが、レンタル代は高くなりますが、電動式の自転車も有りますので、体力に自信のない方は電動式を使うのも良いでしょう。

ただ、金鱗湖周辺は、道が狭いとは言いませんが、観光客が多いので自転車を乗るには不向きです。

自転車を利用しての散策は田園風景や由布岳温泉など、比較的観光客の多くないエリアをお勧めします。

辻馬車や人力車、スカーボロを利用してある程度湯布院の地形と観光名所を把握してから、自分のゆっくり見たい場所を集中的に自転車で回ると道に迷うこともなく良いと思います。