まずは、「結納・ゆいのう」についての一般的な定義から入りましょう。
男女二人の将来結婚するという約束を『両家の親族』が集って縁を「結」び合うことで確認する儀式とされています。

「婚約の成立」を家族や親族に報告して共に喜び祝うもので、昔から伝えられ、大切な儀式とされてきました。
その際には、「結納の品」として新郎家から新婦家へ、帯や着物などの縁起物を添えて贈ったようですが、
現代ではその代わりとして「金子包み・結納金」を贈るように変化しています。
また同時に、近代で一般化している婚約の約束としての「婚約指輪・時計」などを贈り合う形式も増えているようです。

結婚式のように、公の場所ではなく、両家間の私的な集まりになりますが、
この「結納」によって正式に『結婚します』という約束が交わされることになります。
昔は形式として、結納品を女性宅まで届けて催したようですが、
近年は結婚式場やホテルの「結納パック」を利用する形が一般化しつつあるようです。

結納の席では、食事を伴う場合も多いようですが、その際の費用の支払いに触れます。
結納金を受け取る、または訪問される「新婦側」が負担することが建前となっているようですが近年は折半も多いとか。

形式は、地域や両家の格式によって違いはありますが、
先に述べたように、簡単に両家の家族が集って食事会などを行うことが多いようです。
「結納のみ」「結納と食事会」「顔合わせのみ」など、事情によって様々に変化もしている様子です。

「結納」には、両家の間を取り持つ「仲人」を立てますが、
最近では仲人を立てない簡素なでシンプルな形式が喜ばれているようです。

私達夫婦は、今までに「頼まれ仲人」を２回、「親族間の仲人」を１回、
「実質的な仲人」を１回の、計４回仲人を経験しています。
「頼まれ仲人」の場合は、ちょっとしたご縁のあるご家庭からの依頼で、
料亭を借りての本格的な「結納」も体験しましたから、緊張もしました。
後の２つは、親族関係のもので「甥たち」の仲人です。
こちらは親族ということでもあり、レストランの個室での和やかな略式でした。

本格的なものにしろ、略式のものにしろ、仲人無しにしろ、これから夫婦として生きていく決意を、
二人だけでなく親族が集って『確認し合う』ことは、結婚と言う大事な『人生の決断』を形にするうえでの
大切な通過点だと思います。