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数年前に伊勢神宮を参拝したとき、ちょっと時間ができて(暇だっただけのことかも…)、
参拝する人たちをウオッチしたことがあります。
お賽銭はどれくらい?という興味からでした。


でも見ているうちにおかしなことに気づきました。
参拝の仕方がバラエティーに富んでいるんです。
かしわ手が1回だけの人、かしわ手を省略する人、逆に何度も打っている人、
手を合わせてひたすらお祈りする人…。
これはちょっと違うよなと思い、正しい参拝の仕方を調べてみました。
わかっていたこともありますが、新しい発見も。簡単に見えるお参りといえど、奥は深いようですよ。

■鳥居の前で、まず一礼

まずは、伊勢神宮の神域に入る前から。
内宮には宇治橋があり、その手前に大きな鳥居が立っています。
くぐる前に立ち止まって一礼します。
参拝を終えて帰るときは、鳥居をくぐってから振り返って一礼するのをお忘れなく。
参道に入ったら、途中にある手水舎(てみずしゃ)で心身を清めます。
ひしゃくで汲んだ水を手に掛けます。
「手水(ちょうず)」といいます。参道を歩くときは、右側通行が原則です。
ちなみに外宮は左側。真ん中は神様が通る道とされているようです。
もっとも、初詣のときはそんなこと言ってられないですけどね。

石の階段を上って、白い幕越しに正宮がかすかに望めるところまで進んで、さあ参拝です。
神社での参拝の作法は普通、「二拝・二拍手・一拝」。
伊勢神宮でもそうです。
姿勢を正し、最敬礼を2回、かしわ手を2回打ち、再び最敬礼を1回。
2回目のかしわ手では軽く目を閉じて祈ります。
そうそう忘れてました。お賽銭を入れるのは、これより前ですよ。

■かしわ手は神様へのアピール?

この二拝・二拍手・一拝は神前結婚式での作法と同じで、
厳粛な気持ちが込もっていればいいのですが、これがなかなかできないようです。
軽く頭を下げるだけの人、かしわ手が中途半端な人…。
以前聞いた話では、かしわ手は神様に「お参りにきましたよ。こちらをお向きください」と
お願いする行為なので、神様に聞こえるよう、堂々と打つべきだとのこと。
真偽のほどはわかりませんが…。

見ていて最も多いのが、手を合わせてお祈りしている人です。
何年か前に、当時の小泉首相が靖国神社を参拝した際、
神前で手を合わせている写真が新聞などに出たことがあります。
「お墓参りみたい」「作法を知らない」などと論議を呼んだのですが、
小泉さんは親近感を出すためにあえて手を合わせたと弁明したとか。
神様の前で手を合わせてお祈りする人は多いことの証明といえるかもしれませんね。

最後に肝心のことを。いくら手を合わせてお参りしても、
伊勢神宮の神様は個人的な願いは聞き届けてくれません。
正式な作法でお参りしてもダメです。
伊勢神宮は天皇家の祖先を祀る神社で、個人的な願いごとをするのはタブー。
伊勢神宮参拝の目的は、私利私欲のためではなく、神様への感謝を伝えることとされているのですから。

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