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狭き門を通過し、入学した宝塚音楽学校生の生徒たち。厳しいことで知られる音楽学校。

なぜ学生であるはずの彼女たちが電車に向かってお辞儀をするのか。

その謎に迫りました。


宝塚歌劇団に入団するためには、宝塚音楽学校に入学しなければなりません。
音楽学校は東の東大、西の宝塚と呼ばれるほど競争率が高いです。また入学してからも細かい規則が多くあり、上下関係も厳しいことで知られています。音楽学校は2年生で1年目は予科性、2年目は本科生と呼ばれています。予科生は、入学直前に自衛隊からお辞儀や行進をの指導を受けます。
そして上級生から次のような指導があります。
「決して恥ずかしい行動をとってはいけません」 「先生の言うことに従い、あいさつは怠りなく」
後輩は先輩を見かけると、どんな場所でも必ずお辞儀をしなければなりません。先輩が教室に入る時はドアを開けなければなりません。上級生とすれ違う予科生は、整列して帽子をとり先輩にお辞儀をしなければなりません。 学校の廊下で私語は禁物です。階段は、右側の壁に沿い、一列で通らなければなりません。寮から学校へ通学する間は二列で歩かなければなりません。正門では必ず一礼をして入校します。担当する掃除場所でも細かい規則がたくさんあり、本科生がマンツーマンで教えます。

宝塚通の作家、深田祐介さんは、「旧軍の伝統が宝塚に受け継がれている」と仰っています。全日本学生柔道連盟の副会長、植村健次郎氏は「宝塚は柔道と同じで体育会系です。極めて礼儀正しく、上下のけじめがきちっとしている」 と仰っています。

音楽学校の予科生は、阪急電車の1番後ろの車両に乗車し、座席には座りません。ホームより電車に向かってお辞儀をします。なぜなら劇団員は阪急電鉄の社員扱いになるからです。そして、電車にはもしかしたら本科生や上級生が乗車している可能性があるかもしれない、もし乗っていてお辞儀しなかったらご指導を受けるからお辞儀するという意味もあります。音楽学校を卒業した大地真央「でもそういう一年があったからこそ物を大切にする心や礼儀作法を学ぶことができたんです。なにより同期は一生の宝物。共に泣き、笑い、悩んだ仲間と出会えて本当によかった。厳しかったけれども無駄だったことは一つもありません。」と仰っています。

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